Japanische Klassiker mit Furigana
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しばられたあひる
縛られたあひる
小川 未明
Lesen Sie 縛られたあひる (しばられたあひる) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.532 Zeichen · 9 Bildschirme
がしました。
「雨が降ってきた!」と、子供が、大声で告げました。
「さあ、いつものところへ逃げろよ。」と、父親はそこらにあったものをひっつかむようにして、闇の中へ駈け出しました。子供は、川ぶちまで飛んでくると、あひるは、いまにものどをくくられて死にそうな悲しい鳴き声をあげていました。子供は、刃先の鋭い小刀で、足を縛った繩を切りました。そして、そのままあひるを放して、バケツとふろしき包みを下げて、父親の後を追いかけました。
雨と風と雷の、ものすごい一夜でした。その夜が明けはなれたときに、流れの水は満々として、岸を浸して、春の日の光を受けて金色に輝いていました。また、ぶなの木は、古い枯れ葉をことごとく振り落として、その後から、新しい緑色の芽を萌していました。乞食は、ふたたびその木の下に寄りつかず、どこへいったやら、あひるの影も見えなかったのであります。いずれ彼らの消息は、りこうな、敏捷なのねずみによって、探ね出されて、ぶなの木や魚たちにもわかることでありましょう。