Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎみんじんべえ
義民甚兵衛
菊池 寛
Lesen Sie 義民甚兵衛 (ぎみんじんべえ) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.241 Zeichen · 25 Bildschirme
甚作 そうもなるまい。村で加担するとなると、家では若い者が揃っとるけにのう、一人二人は出ねばなるまい。
(この前より、周囲がほの明るく騒がしくなる。遠方が、火事でもあるように明るくなる。雑音がだんだん高くなる。遠い寺の鐘が鳴り始める)
甚作 (駆け出しながら)なんやろう。なんやろう。火事かしら。向うが真っ赤じゃ。
甚吉 ええ、なんじゃと。(出てくる)ほほう。赤いな。どうしたんじゃろう。どこぞで火事を出したのか知らん。
おきん ええ、火事じゃと。(出てくる)
(甚三も出てくる。親子四人とも、遠方を見て、不安に襲われる。寺の鐘激しく鳴る。牛小屋の戸がガタガタ動く)
甚兵衛の声 開けてくれ! 開けてくれ!
甚吉 阿呆め! お前は、そこですっこんでおれば、ええじゃ。
(村中が、ますます明るくなる。人声が嵐のように高まってくる。犬がけたたましく吠える。寺の鐘が殷々と鳴る。甚作駆け出す。やがて帰ってくる)
甚作 (蒼くなって、帰ってくる)えらいこっちゃ! えらいこっちゃ。街道筋は一面の炬火じゃ。
甚吉 え、なんじゃと。
(このとき、「一揆じゃ! 一揆じゃ! 一揆が来たぞ!」という、叫びが遠く近く聞えてくる)