Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みみこうすい

耳香水

大倉 燁子

Lesen Sie 耳香水 (みみこうすい) von 大倉 燁子 (おおくらてるこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.465 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

夕方の五時には出発しなきゃならん、起してくれッて云いました。が、迚も忙しかったんでね、起す事を頼まれていたのに、ついそれさえ忘れちゃったのです。五時に起しに行ってたらこんな馬鹿な事にはならなかったんでしょうが――』

『それに女給さん、いつ来たんだか私達ちっとも知らなかったわねえ』

妻君は何かその時の事を思い出したのでしょう。くすりと笑いました。すると張氏も可笑しさを耐えかねたというように笑い出しましたが、真面自な顔をして聞いている私を見ますと、照れかくしのように滑稽な身振りをしながら云い続けるのでした。

『女給さん、ベッドに寝ているのを、情人だと思ったんですよ。ちょいと、あなた、眠ってんのッ? てな事を云ッて、いきなりベッドの中に、辷べり込んで、死人を抱きしめて、夢中で接吻したんでさア。ひやりとした、気味の悪い冷たさに吃驚して、よく見ると人が違ッてる。しかも白眼を薄く開けて、動かないんですからね。女給さん吃驚したの何のッて――。狂気のようになって――。人殺し! 人殺し! ッて階段を転がり落ちたんですよ。私が抱き起して、どうしましたッて云うと、眼を吊り上げて、ペッペッと唾を吐きながら、やけに半帛で口を拭いてるんですよ』