Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんでき

耽溺

岩野 泡鳴

Lesen Sie 耽溺 (たんでき) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.597 Zeichen · 110 Bildschirme

Aozora Bunko

二階にはおやじもいるし、他にまだ二人ばかりいる。跡からあがった(それも昼ごろから来ていたという)女は、浅草公園の待合○○の女将であった。

菊子の口のはたの爛れはすッかり直ったようだが、その代りに眼病の方がひどくなっている。勤めをしている時は、気の張りがあったのでまだしも病毒を押さえていられたが、張りが抜けたと同時に、急にそれが出て来たのだろう。井筒屋のお貞が言った通り、はたして梅毒患者であったかと思うと、僕は身の毛が逆立ったのである。井上眼科病院で診察してもらったら、一、二箇月入院して見なければ、直るか直らないかを判定しにくいと言ったとか。

かの女は黒い眼鏡を填めた。

僕は女優問題については何も言わなかった。

十二、三歳の女の子がそとから帰って来て、

「姉さん、駄賃おくれ」と、火鉢のそばに足を投げ出した。顔の厭に平べッたい、前歯の二、三本欠けた、ちょっと見ても、愛相が尽きる子だ。菊子が青森の人に生んで、妹にしてあると言ったのは、すなわち、これらしい。話しばかりに聴いて想像していたのと違って、僕が最初からこの子を見ていたなら、ひょッとすると、この子を子役または花役者に仕上げてやりたいなどいう望みは起らなかったばかりか、吉弥に対してもまた全く女優問題は出なかったかも知れない。