Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんでき

耽溺

岩野 泡鳴

Lesen Sie 耽溺 (たんでき) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.597 Zeichen · 110 Bildschirme

Aozora Bunko

それも、今月中の喰い物の一つになってしまうのだ。最も多望であった脚本創作のことなどは、ほとんど全く手がつかなかったと言ってもいい。

学校の方は一同僚の取りなしでうまく納まったという報告に接したが、質物の取り返しにはここしばらく原稿を大車輪になって働かなければならない。

僕は自分の腕をさすって見たが、何だか自分の物でないようであった。

二六

その後、四、五十日間は、学校へ行って不愉快な教授をなすほか、どこへも出ず、机に向って、思案と創作とに努めた。

愉快な問題にも、不愉快な疑問にも、僕は僕そッくりがひッたり当て填る気がして、天上の果てから地の底まで、明暗を通じて僕の神経が流動瀰漫しているようだ。すること、なすことが夢か、まぼろしのように軽くはかどった。そのくせ、得たところと言っては、数篇の短曲と短い小説二、三篇とである。金にしては何ほどにもならないが、創作としては、よしんば望んでいた脚本が出来たとしても、その脚本よりかずッと傑作だろうという確信が出た。

僕のからだは、土用休み早々、国府津へ逃げて行った時と同じように衰弱して、考えが少しもまとまらなくなった。