Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんでき

耽溺

岩野 泡鳴

Lesen Sie 耽溺 (たんでき) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.597 Zeichen · 110 Bildschirme

Aozora Bunko

「なアに、かまいませんとも」

「しかし、まだ奥さんにはお目にかかりませんけれど、おうちでは独りでご心配なさっておられますよ。それがお可哀そうで」

「かかアは何も知ってませんや」

「いいえ、先生のようなお気質では、つれ添う身になったら大抵想像がつきますもの」

「よしんば、知れたッてかまいません」

「先生はそれでもよろしかろうが、私どもがそばにいて、奥さんにすみません」

「心配にゃア及びません、さ」景気よくは応対していたものの、考えて見ると、吉弥に熱くなっているのを勘づいているので、旦那があるからとてもだめだという心をほのめかすのではないかとも取れないことではない。また、一方には、飲むばかりで借りが出来るのを、もし払われないようなことがあってはと心配し出したのではないかとも取れた。僕はわざと作り笑いをもって平気をよそい、お貞やお君さんや正ちゃんやと時間つぶしの話をした。吉弥がまだ湯から帰らないのをひそかに知っていたからだ。

「吉弥は風呂に行ってまだ帰りませんが――もう、帰りそうなものだに、なア」と、お貞はお君に言った。

「もう、一時間半、二時間にもなる」と、正ちゃんが時計を見て口を出した。