Japanische Klassiker mit Furigana
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たんでき
耽溺
岩野 泡鳴
Lesen Sie 耽溺 (たんでき) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.597 Zeichen · 110 Bildschirme
と、お貞は長煙管を強くはたきながら、「あいつもよッぽど馬鹿です。なけなしの金を工面して、吉弥を受け出したところで、国府津に落ちついておる女じゃなし、よしまた置いとこうとしたところで、あいつのかみさんが承知致しません。そんな金があるなら、まずうちの借金を返すがええ。――先生、そうではござりませんか?」
「そりゃア、叔母さんの言うのももっともです、しかし、まア、男が惚れ込んだ以上は、そうしてやりたくなるんでしょうから――」
「吉弥も馬鹿です。男にはのろいし、金使いにはしまりがない。あちらに十銭、こちらに一円、うちで渡す物はどうするのか、方々からいつもその尻がうちへまわって来ます」
「帰るものは帰るがええ、さ」そばから、お君がくやしそうに口を出した。
「馬鹿な子ほど可愛いものだと言うけれど、ほんとうにまたあのお袋が可愛がっておるのでござります」お貞は僕にさも憎々しそうに言った。「あんな者でも、おってくれれば事がすんで行くけれど、おらなくなれば、またその代りを一苦労せにゃならん。――おい、お君、馬鹿どもにお銚子をつけてやんな」
お君は、あざ笑いながら、台どころに働いている母にお燗の用意を命じた。