Japanische Klassiker mit Furigana
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たんでき
耽溺
岩野 泡鳴
Lesen Sie 耽溺 (たんでき) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.597 Zeichen · 110 Bildschirme
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その手紙を出しに行った跡へ、吉弥はお袋をつれて僕の室へあがっていた。
「先生、母ですよ」
「そう――おッ母さんですか」と、僕は挨拶をした。
「お留守のところへあがり込んで、どうも済みませんが、娘がいろいろお世話になって」と、丁寧にさげたあたまを再びあげるところを見ると、心持ちかは知らないが、何だか毒々しいつらつきである。からだは、その娘とは違って、丈が低く、横にでぶでぶ太って、豚の体に人の首がついているようだ。それに、口は物を言うたんびに横へまがる。癇のためにそう引きつるのだとは、跡でお袋みずからの説明であった。
これで国府津へは三度目だが、なかなかいいところだとか、僕が避暑がてら勉強するには持って来いの場所だとか、遊んでいながら出来る仕事は結構で羨ましいとか、お袋の話はなかなかまわりくどくって僕の待ち設けている要領にちょっとはいりかねた。
吉弥は、ただにこにこしながら、僕の顔とお袋の顔とを順番に見くらべていたが、退屈そうにからだを机の上にもたせかけ、片手で机の上をいじくり出した。そして、今しがた僕が読んで納めた手紙を手に取り、封筒の裏の差出し人の名を見るが早いか、ちょっと顔色を変え、