Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんでき

耽溺

岩野 泡鳴

Lesen Sie 耽溺 (たんでき) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.597 Zeichen · 110 Bildschirme

Aozora Bunko

「いやアだ」と、ほうり出し、「奥さんから来たのだ」

「これ、何をします!」お袋は体よくつくろって、「先生、この子は、ほんとうに、人さまに失礼ということを知らないで困るんですよ」

「なアに」僕は受けたが、その跡はどうあしらっていいのだか、ちょっとまごついた。止むを得ず、「実は」と、僕の方から口を切って、もし両親に異議がないなら、してまた本人がその気になれるなら、吉弥を女優にしたらどうだということを勧め、役者なるものは――とても、言ったからとて、分るまいとは思ったが、――世間の考えているような、またこれまでの役者みずからが考えているような、下品な職業ではないことを簡単に説明してやった。かつ、僕がやがて新らしい脚本を書き出し、それを舞台にのぼす時が来たら、俳優の――ことに女優の――二、三名は少くとも抱えておく必要があるので、その手はじめになるのだということをつけ加えた。

「そりゃア御もっともです」と、お袋は相槌を打って、「そのことはこの子からも聴きましたが、先生が何でもお世話してくださることで、またこの子の名をあげることであるなら、私どもには不承知なわけはございません」