Japanische Klassiker mit Furigana
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たんでき
耽溺
岩野 泡鳴
Lesen Sie 耽溺 (たんでき) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.597 Zeichen · 110 Bildschirme
「何が当り前だア、ね? 初めから引かしてやると言うんで、毎月、毎月妾のようにされても、なりたけお金を使わせまいと、わずかしか小遣いも貰わなかったんだろうじゃないか? 人を馬鹿にしゃアがったら、承知アしない、わ。あのがらくた店へ怒鳴り込んでやる!」
「そう、目の色まで変えないで、さ――先生の前じゃアないか、ね。実は、ね、半分だけあす渡すと言うんだよ」
「半分ぐらいしようがないよ、しみッたれな!」
「それがこうなんだよ、お前を引かせる以上は青木さん独りを思っていてもらいたい――」
「そんなおたんちんじゃアないよ」
「まア、お聴きよ」と、お袋は招ぎ猫を見たような手真似をして娘を制しながら、「そう来るのア向うの順じゃアないか? 何でもはいはいッて言ってりゃいいんだア、ね。――『そりゃア御もっとも』と返事をすると、ね、お前のことについて少し疑わしい点があると――」
「先生にゃア関係がないと言ってあるのに」
「いいえ、この方は大丈夫だが、ね、それ――」
「田島だッて、もう、とっくに手を切ッたって言ってあるよ」
「畜生!」僕は腹の中で叫んだ。
「それが、お前、焼き餅だァ、ね」と、お袋は、実際のところを承知しているのか、いないのか分らないが、そらとぼけたような笑い顔。