Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんでき

耽溺

岩野 泡鳴

Lesen Sie 耽溺 (たんでき) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.597 Zeichen · 110 Bildschirme

Aozora Bunko

お君さんがその前に立って、しきりに姿を気にしていた。畳一枚ほどに切れている細長い囲炉裡には、この暑いのに、燃木が四、五本もくべてあって、天井から雁木で釣るした鉄瓶がぐらぐら煮え立っていた。

「どうも、毎度、子供がお世話になって」と、炉を隔てて僕と相対したお貞婆さんが改まって挨拶をした。

「どうせ、丁寧に教えてあげる暇はないのだから、お礼を言われるまでのことはないのです」

「この暑いのに、よう精が出ます、な、朝から晩まで勉強をなさって?」

「そうやっていなければ喰えないんですから」

「御常談を――それでも、先生はほかの人と違って、遊びながらお仕事が出来るので結構でございます」

「貧乏ひまなしの譬えになりましょう」

「どう致しまして、先生――おい、お君、先生にお茶をあげないか?」

そのうち、正ちゃんがどこからか帰って来て、僕のそばへ坐って、今聴いて来た世間のうわさ話をし出す。お君さんは茶を出して来る。お貞が二人の子供を実子のように可愛がり、また自慢するのが近処の人々から嫌われる一原因だと聴いていたから、僕はそのつもりであしらっていた。

「どうも馬鹿な子供で困ります」