Japanische Klassiker mit Furigana
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たんでき
耽溺
岩野 泡鳴
Lesen Sie 耽溺 (たんでき) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.597 Zeichen · 110 Bildschirme
それで、吉弥を呼べば、うなぎ屋へ呼んだが、飲みに行く度数がもとのようには多くなくなった。
勉強をする時間が出来たわけだが、目的の脚本は少しも筆が取れないで、かえって読み終ったメレジコウスキの小説を縮小して、新情想を包んだ一大古典家、レオナドダヴィンチの高潔にしてしかも恨み多き生涯を紹介的に書き初めた。
ある晩のこと、虚心になって筆を走らせていると、吉弥がはしご段をとんとんあがって来た。
「………」何も言わずすぐ僕にすがりついてわッと泣き出した。あまり突然のことだから、
「どうしたのだ?」と、思わず大きな声をして、僕はかの女の片手を取った。
「………」かの女は僕に片手をまかせたままでしばらく僕の膝の上につッ伏していたが、やがて、あたまをあげて、そのくわえていた袖を離し、「青木と喧嘩したの」
「なアんだ」と、僕は手を離した。「乳くり合ったあげくの喧嘩だろう。それをおれのところへ持って来たッて、どうするんだ?」
「分ってしまった、わ」
「何が、さ?」僕はとぼけて見せたが、青木に嗅ぎつけられたのだとは直感した。
「何がッて、ゆうべ、うなぎ屋の裏口からこッそりはいって来て、立ち聴きしたと、さ」