Japanische Klassiker mit Furigana
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せいにょにんぞう
聖女人像
豊島 与志雄
Lesen Sie 聖女人像 (せいにょにんぞう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.549 Zeichen · 28 Bildschirme
そして、尾形さんは女を尊敬しているが、あまり尊敬しておかしなことがあったと言う。
「たいへん不機嫌だから、なんだと思ったら、夫婦喧嘩をなすったんですって。」
尾形というのは、研究所の私の仲間なのだ。――田舎の友人から鶏卵をたくさん貰った。それで尾形は、オムレツでも拵えさせようと思いついて、牛肉のこま切れを買って帰った。ところがあとで、奥さんが言うに、この節は牛も食い物が悪いと見えて、肉に脂が殆んどのっていないらしい。皿物にあまり脂がつかないし、ちょっと水で洗っただけで、きれいに落ちてしまう。いったいお値段はいかほどでしたの、と聞くから、正直に、百匁七十円だったと答えた。すると、奥さんは眉をしかめて、それじゃあ、犬の肉だったに違いないと言う。ごまかしなすったのねという。尾形は少し酔っていたものだから、ばかなことを言うなと怒鳴った。肉屋はごまかしたかも知れないが、俺はごまかしなどはしない。いいえ、ごまかしなすったのよ。そんなことから喧嘩になって、尾形は食卓を拳固で殴りつけ、長火鉢にかかってた鉄瓶を引っくり返して、灰かぐらを立ててしまった。そして奥さんとは翌朝まで口を利かず、ぷりぷり怒って研究所に出て来たが、とても不機嫌だった。