Japanische Klassiker mit Furigana
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はいたい
胚胎
宮本 百合子
Lesen Sie 胚胎 (はいたい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 55 Bildschirme
燈火が大変弱い光線になって三つのまどからどっかによどみのある青白い光線がさし込む。
王はしっかり右の手で左の腕を握って一箇所を見つめる。
王 あやまる?
いかにも口惜しい、事じゃ。
我と我が身を雲を突く山の切り崖からなげ出いて目に見えぬほど粉々にくだいてしまいたいほどじゃ。
今までによう味わなんだ、
あやまる
と云う事を経験せねばならぬ時になったのじゃ。
わしは今まで、
あやまる
と云う言葉さえ聞くのをようこのまなんだ。
それにかかわらず、その言葉の響きを一つ一つ聞き自らその味をなめて見ねばならぬ時になったのじゃ。
わしはなやましい折も気の狂わぬ頭と体をもって居る。わしの勇気は最後の勝利を得ようためにこのいまわしい思いも致して見るがよいのじゃとしり押し致いて居る。
そうじゃ思い切って、あやまるのじゃ。法王に謝すと思えばこそ、腹も立つ。わしのこの尊い頭に少し許りでもいまわしい思いをいたさせた事を己の頭に謝するのじゃと思えばよいのじゃ。
最後の勝を得るためなのじゃ。
謝したものが愚者じゃ負者だとは定められぬものじゃと云う言葉をわしが云い始める様にするのじゃ。