Japanische Klassiker mit Furigana
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はいたい
胚胎
宮本 百合子
Lesen Sie 胚胎 (はいたい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 55 Bildschirme
幕が上ると、一つ長腰掛に三人一っかたまりになって居る。
やがて第一の若僧が立って自分の肩のあたりをつかんで四辺を見廻して又座る。
第一の若僧 今日もまた、このまんま夜になっちゃうんですか?
寝つづけてお出遊ばすお師様の御夢を御守りして斯うやって居なければいけない――
私達の夢はどこの誰が守ってるんだろう。(低いうらめしい様な口調に云う)
第二の若僧 神の御試みに会って居るのだと思えばそれですべての事はすんで仕舞う筈なんです。このまんま死んで行っても神の御心にさえそうて居れば天に昇れる――
そうに違いないじゃあありませんか。
第一の若僧 私は死んでから天国に行く事よりも今都に居る事の方が望ましい。
神が天国をお教えなさるのも地獄をお教えなさるのもそれを恐れて生きて居る世を天国にして暮す様にさせ様ためになさった事だ。
第二の若僧は都をしたう心に堪えかねた様に部屋をしのび足に歩き廻る。
第一の若僧 まあ都へ帰る帰らないと云う事は別にしてこないだうちの事を思い出す毎にどれだけ、ほんとうに、今の身分が悲しいなさけないものに思われるんだか。
只考えて御覧なさい、あの時の事を。