Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
じじょでん
自叙伝
大杉 栄
Lesen Sie 自叙伝 (じじょでん) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.021 Zeichen · 230 Bildschirme
「僕はいやだ。さっきの斎藤さんのように、また隅田さんに変に思われるかも知れないからね。」
僕はそんなことを言うつもりでもなく、ふいと戯談のように言ってしまった。
「あら、いやな栄さん。それじゃいいわ。」
礼ちゃんは手をあげて打つまねをしながら、ちょっと僕をにらんだかと思うと、そのままばたばたと駈けだしてうちへはいってしまった。
僕はぼんやりしたようになってうちへ帰った。
翌日、礼ちゃんはまたうちへ来た。そしてその後も、毎日、日に一度はきっとやって来た。
母の死骸がうちにあった間は、二人とも顔を見合わしても先夜のことなどまるで忘れたようにしていたが、そしてまた実際いろんなほかの人達と一緒に母の死についての歎きに胸を一ぱいにしていたが、葬式が済んだ翌日からは、二人とも顔さえ合せれば、もう母の死のことなどは忘れたようになって、そしてまだほんの子供のような気になって、先夜二人で門を出た時と同じように、一緒に笑い興じたり騒いだりばかりしていた。
例の綺麗な細君もほとんど毎日のように見舞いに来た。そして二人のそんなふうなのをそばで黙ってにこにこしながら眺めていて、時々、本当にお二人は仲善さそうね、なぞとからかっていた。