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Japanische Klassiker mit Furigana

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じゆうじん

自由人

豊島 与志雄

Lesen Sie 自由人 (じゆうじん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.030 Zeichen · 139 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「そんなこと、お兄さま好きなの。」

「好き嫌いの問題じゃない。ちょっとした趣味さ。」

「だから、分ったわ……ねえ、お姉さま。」

「なんだよ。」

「不良趣味。」と千重子が言った。

「また、ばかなことを言う。不良というものはね、身を持ち崩すことを言うんだ。道徳的な行いをするにしても、不道徳な行いをするにしても、自分自身を持ち崩すことを言うんだ。たとい品行方正であるとしても、自分自身を持ち崩せば、不良なんだ。その代り、どんな不埓なことをして、どんなに羽目を外しても、自分自身を持ち崩さなければ、善良というものさ。それが近代道徳だよ。」

「おかしいわ、順一さんが道徳の講義をするなんて。嵐のせいね。」

「そしてずるいわ。」と八重子も言った。「暗いのをいいことにして、お酒ばかりのんで、ちっともコリントの丸を磨かないんですもの。」

「下らない仕事は、男子のすべきことじゃないよ。」

「だって……男女同権……。」

ぼーっと明りがさして、火のともった蝋燭をみよやが持って来た。その燭台の乗ってる盆には、菓子鉢と茶の土瓶もあった。

「ランプがくらいものですから、お蝋燭に致しました。」

蝋燭の火がちらちら揺ぐので、みよやは開いてる窓をしめて、急ぎ足に廊下へ出て行った。