Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうや
良夜
饗庭 篁村
Lesen Sie 良夜 (りょうや) von 饗庭 篁村 (あえばこうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.173 Zeichen · 16 Bildschirme
されどこの清風明月の間にしばらくなりと居た者が活版所へ戻りて半夜なりとて明かさるべきにあらねば、次第に更けて人の通りの少なくなるを心待にして西へ東へと行きかえるうち、巡行の巡査の見咎むるところとなり、「御身は何の所用ありてこの橋上を徘徊さるるぞ」と問われたり。予もこの頃は巡査に訊問さるるは何にかかわらず不快に感ずる頃なれば、「イヤ所用なければこそこの橋上を徘徊致すなれ」と、天晴よき返答と思いて答えたり。巡査は予の面を一種の眼光をもって打眺め、「そも御身は何処の者にて姓名は何と言わるる」と言い言いなお身体容貌を眺め下したり。「何のために宿所姓名を問いたもうか、通り少きこの橋上月をながめ涼みを取るもあながち往来の邪魔にはなるまじ」とやり返せば、「御身の様子何となく疑わしく、もし投身の覚悟にやと告ぐる者ありしゆえ職務上かく問うなり」と言うに、詮方なく宿所姓名を告げ、「活版所は暑くして眠られぬまま立出し」とあらましを話せばうなずきて、「然らばよし、されど余り涼み過ると明日ダルキ者なり、夜露にかかるは為悪し早く帰られたがよからん」との言に、「御注意有り難し」