Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとひとのはなし
花と人の話
小川 未明
Lesen Sie 花と人の話 (はなとひとのはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.600 Zeichen · 8 Bildschirme
室内は明るく、いろいろに装飾がしてありましたけれど、日の光は、けっしてそこへは差し込まなかったのです。このことは、花にとって、このうえのない不幸でありました。
三人の令嬢たちは、今夜、このへやで音楽会を開く相談をしていました。そして、あたりを片づけたり、額を懸け換えたり、いくつも腰掛けを持ってきたりしました。あたりの片づけがすむと、一人の令嬢は、アネモネのそばへやってきました、そして、つくづくと花をながめていましたが、やがて美しい顔を花に近づけました。花は、接吻してもらうことかと、うれしそうにふるえていましたが、そうではなかった。
「姉さん、この花には、ちっとも香いがありませんのね?」
「そうよ、香のあるのは、ヒヤシンスなのよ。」すると、妹は、テーブルの上にのせてあった香水のびんをとりあげました。そして惜しげもなく、それをアネモネの花といわず、葉といわず、頭からふりかけました。花は、どんなにびっくりしたことでしょう。
「姉ちゃん! なにするのよ、花が枯れてしまってよ。」と、一人の令嬢がいいました。
「だいじょうぶよ、今晩だけは枯れはしないわ。」と、妹はいって、三人の娘たちは、声をたてて笑いました。