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Japanische Klassiker mit Furigana

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あぢさい

花火・来訪者 他十一篇

永井 荷風

Lesen Sie 花火・来訪者 他十一篇 (あぢさい) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.046 Zeichen · 104 Bildschirme

Aozora Bunko

どうせ、生きていたって仕様のない身なんだから。」とまた土の上に膝をつき、わたしの袂に顔を押し当てあたり構わず泣きしずむ。

此方はすこし面喰って、「もういい。もういい。」と抱き起し背をさすれば、君香はいよいよ身を顫わし涙にむせび、「兄さん、みんなわたしが悪いんです。打たれても蹴られても、わたし決して兄さんの事を恨みはしないから、思い入れひどい目に会わして頂戴。ヨウヨウ。」と身を摺りつける様子の、どうやら気味わるく、次第に高まる泣声は河水に響渡るような気もしてくるので、始の威勢はどこへやら、此方からあべこべに、「おれがわるかった。堪忍しなよ。」と気嫌を取り取りやっと貸間の二階へつれもどりました。

一時狂気のように上ずッた心持がすこし落ちついて来ると、乱れた鬢をかき直し、泣脹した眼をしばたたいて、気まりわるげに、燈火を避けてうつ向く様子のいたいたしさも、みんな此方の短気からと後悔すれば、いよいよいとしさが弥増り、いたわる上にもいたわる気になりますから、女の方では猶更嬉しさのあまり、思出したようにまたしゃくり上げる。イヤモウ、手放しの痴言放題、何とも申訳が御在ませんが、喧嘩するほど深くなるとは、まったく嘘いつわりのない所で御在ます。