Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あぢさい

花火・来訪者 他十一篇

永井 荷風

Lesen Sie 花火・来訪者 他十一篇 (あぢさい) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.046 Zeichen · 104 Bildschirme

Aozora Bunko

もともと承知の上で二度芸者をさせた女の事。好いお客がついて身受になるというのなら、いかほど口惜しくっても指を啣えてだまって見ていようが、抱主の云うがままになって、前借も踏まず、長火鉢の前に坐って姉さんぶろうと云うからには、もうこのままにはして置けない。人形町の通へ出ると直ぐに目についた金物屋の店先で、メス一本を買い、雪を幸今夜の中にどうかして居処をつきつけたいと、手も足も凍ってしまうまでその辺をうろついていましたが、敵の行衛がわからないので、一先石原の二階へ立戻り、翌日からは毎日毎夜、つけつ覗いつしていましたが姿は一向見当りません。感付かれたと思ったから、油断をさせようと、二、三日家に引込んでいますと、その年もいつか暮の二十八日。今夜こそはと、夜店をひやかす振りで様子をさぐりに、灯のつくのを待って葭町の路地という路地、横町という横町は残りなく徘徊したが、やッぱり隙がない。よくよく生命冥加な尼ちょだと、自暴酒をあおって、ひょろひょろしながら帰って来たのは、いつぞや新橋から手切を貰って突出された晩、お君に出会った石原の河岸通。震災後ただ今では蔵前の新しい橋がかかっているあたりで御在ます。