Japanische Klassiker mit Furigana
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あぢさい
花火・来訪者 他十一篇
永井 荷風
Lesen Sie 花火・来訪者 他十一篇 (あぢさい) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.046 Zeichen · 104 Bildschirme
抱主の持物になって姉さん気取りで納ろうとしたのが、無念で我慢がしきれなかったと云うのです。
お君は実際のところ、そういう量見で房花家の亭主と好い仲になったのか、どうだか、死人に口なしで、しかとはわかりません。わたしへの手紙から見れば、そういう考でした事だとも思われない。口説かれると、見境いなく、誰の言う事でもすぐきくのが、あの女の病いでもありまた徳でもあり、そのためにとうとう生命をなくした。それにつけても、お君はあの晩わたしの家へ寄りさえしなければ、〆蔵に突かれはしなかったろう。わたしが家にいて、一緒に帰りを送って行ったら無事であったにちがいはない。それとも〆蔵のかわりに、わたしがとんだお祭佐七になったかも知れませぬ。人の身の運不運はわからないもので御在ます。
その後あの辺もすっかり様子が変って、埋堀も御蔵橋もあったものじゃ御在ません。今の女房を持って大木戸へ引込んだはなしも一通り聞いていただきたいと思いますが、あんまり長くなって御退屈でしょうから、いずれその中、お目にかかった時にいたしましょう。」
(昭和六年辛未正月稾)