Japanische Klassiker mit Furigana
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あぢさい
花火・来訪者 他十一篇
永井 荷風
Lesen Sie 花火・来訪者 他十一篇 (あぢさい) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.046 Zeichen · 104 Bildschirme
四
四
慶三はお千代をば二円の御祝儀一時間二十五銭の玉代で買っていた時すら既にかくの如くであった。妾に囲った今更になっては実のところ唯一人以前のお客が入込んだからとて、腹立まぎれに綺麗さっぱりと暇をやる勇気はない。まして女の様子や話工合から想像するに、女の方から内々で呼出したという風は更にない。全く男の方からずうずうしく上り込んで無理やりに口説き寄ったに相違なさそうである。しかし慶三は知れた上にもなお事の真相を捜ろうものと、その次お千代と枕を並べてからも種々に問い試みた。
「何故綺麗きっぱり刎付けてしまわなかったんだ。」
「だから随分小ッ酷く刎付けてやったのよ。」
「刎付けられなかったんじゃないか。すぐに云なり次第になったんだろう。」
「あらいい事よ。なんぼ私だって商売している時とはちがってよ。」
「それじゃ商売している時ア誰の云う事でもきいたのか。」
「誰でもッて。あんまりだわ。あなたも……。」
「だって商売してる時とは違うと云ったじゃないか。」
「それアそう云ったわ。商売してる時は仕方がないじゃないの。弱い家業ですもの。」
「そんなら商売をよしても云う事をきくのはどうしたんだ。