Japanische Klassiker mit Furigana
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めばえ
芽生
宮本 百合子
Lesen Sie 芽生 (めばえ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 40.924 Zeichen · 81 Bildschirme
た。頬杖をついて目を細くしてジーッとして居るのにあきた女は、鼻の方にあくびをもらして男の腋を一寸小突いた。クルリッと見向いた男の目の中に、女はいかにもかけ引きをして居る様な損得ずくらしい様な光りを見つけた様に思って、
「何考えていらっしゃる?」
いまいましそうな調子にとんがり声で男にきいた。
「何? 人間は考えなければならない様に作られてるんだから何かしら考えてるサ!」
「何を考えろって云う事は出来ない?」
「云ったって云わないだって同じ事じゃないか?」
「だって――まさかお金の勘定もしやしまいしするけど……」
「お金の勘定するのがいやなんかい?」
「外の女よりはきらい、私が自分でお金をとる様になったら部屋中机の中中にまきちらして置いたらと思ってるほどだから……」
「勝手な事を云う人だよ、それで世の中が今渡れたら乞食は居るまいがネ――」
男は見下す様な気持で、口の先で云った。
「アア、今日はほんとうにすきだらけだったらありゃしない、まるですきあなからお互にのぞき見して居る様だ、またいつかこんなんならない様な日に来ましょうネ……」
「そんな事云わずに世間ばなしでもしておいでネ、一人で居る時には考えてばかり居るんじゃあないか――」