Japanische Klassiker mit Furigana
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わかきひのジンギスカン
若き日の成吉思汗
林 不忘
Lesen Sie 若き日の成吉思汗 (わかきひのジンギスカン) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.827 Zeichen · 68 Bildschirme
この下手の立樹の間より、軍団の大屯営へ通ずるこころ。正面成吉思汗の天幕の外に、竿頭に白馬の尾を結びつけたる旗印を九本立て、その他三角形の小旗、槍、鼓、銅鑼、楯などを飾る。上手下手、及び中央と、舞台三個処におおいなる篝火を焚く。燃料として、牛糞を乾し固めたる物を、傍らにほどよく積む。この篝火の映ろいにて、舞台全面に物凄き明暗交錯する。
おびただしき軍馬のいななき断続して、幕あく。
四天王の三人、長老哲別、参謀長忽必来、箭筒士長速不台、及び主馬頭者勒瑪ほか参謀侍衛ら多勢、それぞれ焚火のまわりに陣取り、弓、矢、鎗、長刀、太刀など、思い思いに武器の手入れをしている。傴僂の道化者汪克児は、葉のついた木の枝を剣に見立てて、身振りおかしく独りで戯け廻っている。
汪克児 敵にお尻を見せたことのない、成吉思汗様のお馬さま、ちょいとこの汪克児様に、お尻を拝ませては下さらぬか。(と抜き足さし足、滑稽な様子で成吉思汗の白馬のうしろに廻り)ても見事な眺めじゃなあ。アラアの神さま、アラアの神様――。
馬は後脚を上げて汪克児を蹴る。
汪克児 (大袈裟に仰天し、引っくり返って)うわあっ! あ痛たたた! 兄弟分の汪克児めをお蹴りなさるとは、ちぇいっ、はてさて情ないお心じゃなあ。