Japanische Klassiker mit Furigana
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クーリーがしらのひょうじょう
苦力頭の表情
里村 欣三
Lesen Sie 苦力頭の表情 (クーリーがしらのひょうじょう) von 里村 欣三 (さとむらきんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.583 Zeichen · 18 Bildschirme
気がつくと、空地の向うに五六人の苦力がエンコして何か喰っていた。俺は立ちあがって、そこに行った。辮髪をトグロのように巻た不潔な野郎が、大きなマントウを頬張っているのだ。つい俺もその旨そうに喰っている様子に唾が出て、黙って黄色ぽいマントウに汚たない布片をもたげて手を出した。すると前にいた苦力が、獰猛な獣の吼るような叫び声を出して俺の手を払い退けた。
そうやられると、俺も無理に手を出しかねた。黙って佇んだ。苦力達は俺の顔を睨めつけて、何かペチャクチャと囁き合った。
やがて彼等は食器を片附けて、小屋のような房子に引きあげた。俺もその後について行った。彼等と一緒に働こうと思ったのだ。俺が入ると、暗い土間のところでアバタ面の一際獰猛な苦力頭が、――何んだ! 何者だ――というように眼をむいて叫んだ。俺はびっくりして、一足二足あとへすさったが、また考え直してにやにや笑いかけて図太く土間に進んだ。俺はスコップで穴を掘る真似をして、働かして貰い度いものだという意味を通じた。が、苦力頭は俺の肩を掴かんで、外を指さした。出て行けというのだ。しかし俺は出て行くところはない。