Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くさめいきゅう

草迷宮

泉 鏡花

Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme

Aozora Bunko

と更めて顔を見る目も、法師は我ながら遥々と海を視める思いがした。旅の窶が何となく、袖を圧して、その単衣の縞柄にも顕れていたのであった。

「そして貴僧は、」

「これは申後れました、私は信州松本の在、至って山家ものでございます。」

「それじゃ、二人で、海山のお物語が出来ますね。」

と、明は優しく、人懐つこい。

二十二

「不思議な御縁で、何とも心嬉しく存じますが、なかなかお話相手にはなりません。ただ

承りまするだけで、それがしかし何より私には結構でございます。」

と僧は慇懃である。

明は少し俯向いた。瘠せた顋に襟狭く、

「そのお話と云いますのが、実に取留めのない事で、貴僧の前では申すのもお恥かしい。」

「決して、さような事はございません。茶店の婆さんはこの邸に憑物の――ええ、ただ聞きましたばかりでも、成程、浮ばれそうもない、少い仏たちの回向も頼む。ついては貴下のお話も出ましてな。何か御覚悟がおありなさるそうで、熟と辛抱をしてはござるが、怪しい事が重なるかして、お顔の色も、日ごとに悪い。

と申せば、庭先の柿の広葉が映るせいで、それで蒼白く見えるんだから、気にするな、とおっしゃるが、お身体も弱そうゆえに、老寄夫婦で一層のこと気にかかる。