Japanische Klassiker mit Furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
いや、それにもまた慄然としたほどでございますから。
何事がございましょうとも、自力を頼んで、どうのこうの、と申すようなことは夢にも考えておりません。
しかし貴下は、唯今うけたまわりましたような可怖い只中に、よく御辛抱なさいます、実に大胆でおいでなさる。」
「私くらい臆病なものはありません。……臆病で仕方がないから、なるがまかせに、抵抗しないで、自由になっているのです。」
「さあ、そこでございます。それを伺いたいのが何より目的で参りましたが、何か、その御研究でもなさりたい思召で。」
「どういたしまして、私の方が研究をされていても、こちらで研究なんぞ思いも寄らんのです。」
「それでは、外に、」
「ええ、望み――と申しますと、まだ我があります。実は願事があって、ここにこうして、参籠、通夜をしておりますようなものです。」
二十九
「それが貴僧、前刻お話をしかけました、あの手毬の事なんです。」
「ああ、その手毬が、もう一度御覧なさりたいので。」
「いいえ、手毬の歌が聞きたいのです。」
と、うっとりと云った目の涼しさ。月の夢を見るようなれば、変った望み、と疑いの、胸に起る雲消えて、僧は一膝進めたのである。