Japanische Klassiker mit Furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
強いて入りますほどの度胸はないので。
式台前で、私はまず挨拶をいたしたでございます。
主もおわさば聞し召せ、かくの通りの青道心。何を頼みに得脱成仏の回向いたそう。何を力に、退散の呪詛を申そう。御姿を見せたまわば偏に礼拝を仕る。世にかくれます神ならば、念仏の外他言はいたさぬ。平に一夜、御住居の筵一枚を貸したまわれ……」
――旅僧はその時、南無仏と唱えながら、漣のごとき杉の木目の式台に立向い、かく誓って合掌して、やがて笠を脱いで一揖したのであった。――
「それから、婆さんに聞きました通り、壊れ壊れの竹垣について手探りに木戸を押しますと、直ぐに開きましたから、頻に前刻の、あの、えへん!えへん!咳をしながら――酷くなっておりますな――芝生を伝わって、夥しい白粉の花の中を、これへ。お縁側からお邪魔をしたしました。
あの白粉の花は見事です。ちらちら紅色のが交って、咲いていますが、それにさえ、貴方、法衣の袖の障るのは、と身体をすぼめて来ましたが、今も移香がして、憚多い。
もと花畑であったのが荒れましたろうか。中に一本、見上げるような丈のびた山百合の白いのが、うつむいて咲いていました。