Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あらほうし

荒法師

山本 周五郎

Lesen Sie 荒法師 (あらほうし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.734 Zeichen · 36 Bildschirme

Aozora Bunko

のだ、堂塔や仏像の否定などは田夫もたやすく口にできる、さような眼前鎖末の事に心をとられるようでは、大悟の境に到る道はまだまだ遠い、修業のはじめには誰しもいちどは昏迷するものだ、いや三度も五度も昏迷し、気も狂うだろう、けれどもそれが妄執となっては救う道はない、おのれを超脱せよ、些々たる自己の観念に囚われるな、学問は必ずいちどその範疇の中へ人間を閉じこめる、その範疇を打開することが修業の第一歩であろう、頭の中からまず学問を叩き出すがよい、跼蹐たる壺中からとびだして、空濶たる大世界へ心を放つのだ、窓を明けろ……」俊恵は黙っていた、和尚の言葉はなんの感動をも与えなかったようすである、かれは息も絶えた者のように、蒼白い顔をのけざまにして埃の上に横たわっていた。

俊恵の脳裡には荒涼たる風景が去来していた、葉の落ちた林がみえる、裸の細い枝が厳寒の風のなかでひゅうひゅうと泣く、枯草のみじめに固くしがみついた涯の知れぬ荒地、どこから来てどこへゆくともなく灰色に伸びているひと筋の長い道、暗澹と垂れさがった鉛色の雲の下に、ぞっとするほど寒ざむと凍っている