Japanische Klassiker mit Furigana
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あらほうし
荒法師
山本 周五郎
Lesen Sie 荒法師 (あらほうし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.734 Zeichen · 36 Bildschirme
五
のだろう、女は俊恵をひきずるようにしながらけんめいに走り、やがて道を横に切れて林の中へと駆けこんだ、「……もう少しです、もうすぐですから辛抱して下さいまし」自分でも喘ぎながらそう励ます声が、俊恵の耳に触れるほど近く聞えた、かれにはもう返辞をする力もなく、女の温たかい息吹が頬にかかるのを、なかば夢のように感じていた。
五
もう焔の明りもなく、林の中は爪尖もわからないほど暗かった、そこをぬけ出ると畑地で、すぐ左がわに農家の灯が見える、それは墓守り七兵衛の家だった、それでようやく自分を救って呉れたのは七兵衛の孫娘だということがわかった、――そうか、花世だったのか、それならいいと思うなり足から力がぬけてゆき、かれはふらふらと横へ倒れてしまった。それから翌朝までのことは千切れちぎれの印象しか残っていない、娘の叫びごえで七兵衛と伜の弥助夫婦がとびだして来たようだ、かれは三人に抱えられてその家へゆき、納戸のような部屋へ寝かされた、そして温かい薄粥を僅かに啜ったのを覚えているが、あとはただ昏々となにもかも忘れて眠ってしまった。
起きあがれるようになった