Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

きくにんぎょう

菊人形

宮本 百合子

Lesen Sie 菊人形 (きくにんぎょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.991 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

自然につく調子で、体をゆすぶりながら、かえしてゆくとき、鉄きゅうの上で鉄のせんべい焼道具がガチャンと鳴った。

店さきにたって、うっとりとその作業に見とれている子供には、職人たちの身ぶりと音との面白さがこの上なかった。いくら見ていても面白く、飽きなかった。さあ、もう帰りましょう。そう云われても、子供たちは職人から目をはなさず上の空で、もっと、とねばった。子供たちは、いつも随分長い間、立って見ているのだったが、職人同士がその間に喋るのを見たことがなかった。職人はみんないそがしそうだった。体のふりかた、道具をひっくりかえす威勢のいい敏捷な音、どれもが、こげるぞ、どっこい。こがすな、どっこい。と調子をとっているようだった。雨のふる日には、菊見せんべいの店の乾いた醤油のかんばしい匂いが一層きわだった。

菊見せんべいへ行くというとき、子供たちはもう一つのひそかな冒険で顔を見合わせた。

菊見せんべいの手前に、こまごまと軒を並べている小商人の店と店との庇あわいの一つの露路をはいってゆくと、その裏は案外からりと開いていて、二間、三間ぐらいの一軒だてがいくつかあった。