Japanische Klassiker mit Furigana
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こんにゃくぼん
菎蒻本
泉 鏡花
Lesen Sie 菎蒻本 (こんにゃくぼん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.957 Zeichen · 30 Bildschirme
「ええ。」
とまた云う、男は口を利くのも呼吸だわしそうに肩を揺る、……
「就きましては、真に申兼ねましたが、その蝋燭でございます。」
「蝋燭は分ったであす。」
小鼻に皺を寄せて、黒子に網の目の筋を刻み、
「御都合じゃからお蝋は上げぬようにと言うのじゃ。御随意であす。何か、代物を所持なさらんで、一挺、お蝋が借りたいとでも言わるる事か、それも御随意であす。じゃが、もう時分も遅いでな。」
「いいえ、」
「はい、」と、もどかしそうな鼻息を吹く。
「何でございます、その、さような次第ではございません。それでございますから、申しにくいのでございますが、思召を持ちまして、お蝋を一挺、お貸し下さる事にはなりますまいでございましょうか。」
「じゃから、じゃから御随意であす。じゃが時刻も遅いでな、……見なさる通り、燈明をしめしておるが、それともに点けるであすか。」
「それがでございます。」
と疲れた状にぐたりと賽銭箱の縁に両手を支いて、両の耳に、すくすくと毛のかぶさった、小さな頭をがっくりと下げながら、
「一挺お貸し下さいまし、……と申しますのが、御神前に備えるではございません。私、頂いて帰りたいのでございます。