Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はなばなしきしゅんかん

華々しき瞬間

久坂 葉子

Lesen Sie 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.114 Zeichen · 92 Bildschirme

Aozora Bunko

「今日は私がおそばをさそうわ」

「ゆきましょう」

そば屋で二時間話をした。大部分が放送の話である。放送は一つの芸術だと仁科六郎は力説した。彼は又、演出がいかなるものか語った。

「小説家は何枚かいてもいいんだし、絵かきはどんな大きさの絵をかいてもいいんだし、映画も演劇も、時間に制限ないのに、放送は時間に制限があるのね。何秒までも。私ぞっとしちゃうわ」

彼は、時間の制限内に於いて、最も有効に一秒一砂うずめてゆくことが、むずかしいのだし、大切なんだ、と答えた。仕事の話では、お互に自分自身を披露しない。

「のみませんか」

今度は仁科六郎が誘う。

「では、五時に、約二時間で私の仕事、かたづけます。カレワラで」

仁科六郎はふっと戸惑ったが結構ですと答えた。南原杉子が、カレワラを指定したのは、蓬莱和子が居たら誘うという了簡ではなかった。彼女は今日不在なのだ。昨日、店の女の子と二三こと立話しているのをきいたのだ。五時から神戸に用があると云っていたのだ。

南原杉子はダンスのレッスン場へいそいだ。髪毛をばらして、派手にルージュを塗り、五時五分前まで踊りつづけ、髪毛をまとめてカレワラへ来た。