Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はなばなしきしゅんかん

華々しき瞬間

久坂 葉子

Lesen Sie 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.114 Zeichen · 92 Bildschirme

Aozora Bunko

蓬莱和子は、三人が人間らしい喜びに浸っている日常を、唯一人、いらだたしくおくっていた。夫、お杉、六ちゃん。すべて、彼女から遠ざかっていたからである。

ある日、蓬莱和子は、放送会社へ出むいた。仁科六郎を呼び出したのだ。

「どうして来なくなったの」

「病気で寐てたのさ。それにとてもいそがしいんだ」

「お杉も来ないわよ。お杉はどうして来ないの」

「僕にきいたってわかることじゃない」

「お杉と会っているのでしょう」

「うん」

彼女は、間の抜けた質問をしたものだと思った。そして、はっきりと邪魔者にされた自分を感じて、おそろしく激怒しはじめた。

「私ね、何にもあなたとお杉のことを、とやかく云うつもりはないんですよ、私は、お杉が好きなんですからね。お杉に来てほしいのですよ。お杉に会いたいのですよ」

「だったら、彼女に云いたまえ」

「ええ、云いますとも」

蓬莱和子は、ハンドバッグをあけ、伝票と共に、カウンターにお札をつきつけると、仁科六郎に挨拶もしないで喫茶店を出た。彼女は、自分が興奮している原因をかんがえてみるひまもなかった。そして、ただちに、南原杉子のオフィスへむかった。だが、オフィスの前まで行った彼女は、南原杉子を訪ねることが、非常に屈辱的な行為であると感じた時、さっさとカレワラへ戻った。