Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

お得意としては上の方である。戦争末期にこの家には不幸があった。竜泉寺小学校の生徒であったこの家の子供が、登校の際に電車に轢かれて死んだ。確か女の子であったと思う。その日、電車通りにある古本屋の飯田さんでその顛末を聞いたが、無情な感じがした。不幸なんてどこに待ち伏せしているかわからない。この天幕屋のところまで配達すると逆戻りをして、最初のパン屋の角へ引き返し、こんどは廓の外郭に沿った通りを配って行くのである。順路帳にはレの符号がついている。これはバックするしるしである。隣りの場合はト、一軒置いて隣りの場合は一ト、筋向いの場合はスム、路地の中に入る場合はロ入り、こんな工合に符号をつけていくのである、もっとも順路帳を見ながら配るのは、新米が配達に慣れるまでの、わずかな期間である、一人前になると、どんな新しい区域でも、一日配れば、あとはそらで配れるようになる。長く配達をしていると、なにか特殊な感覚が発達するようである。犬の嗅覚のようなものが鋭敏になるらしい。

パン屋の隣りはあずま鮨という鮨屋であった。あずま鮨はこの近辺では一番うまいという評判であった。しかし私の得意ではなかった。