Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

ひょっとしたら本気に太宰治を誘惑に来たのじゃあるまいか。ジョルジュ・サンドなんて女は案外こんな顔をしていたのかも知れぬ。「先生の『女生徒』を愛読して居りますわ。大変身につまされまして。」位のことを云う可愛さがあってもよさそうなものじゃないか。

「照れないよ。僕はこの頃照れない練習を積んでいるんだ。男がはにかんでばかりいるのも、みっともないからね。それにしても、君はちと古風でなさすぎるね。」

「いいえ、ただ、あまりお写真とは違うように思えたものですから。」

「写真は僕は嫌いだ。昔から信用していないのだ。カメラには心というものがないから駄目だ。ものの真相に感応すべき心がないもの。カメラは正直だなんて云う人があるが、あんな正直はいわば糞リアリズムじゃないか。」

「さあ、どういうものでしょうか。でも先生はほんとにお写真では御損なさっていらっしゃいますわ。」

くすぐられるような、じらされるような気持である。遠く金木に居られる太宰さんには済まないが、満更悪い気もしない。ああ、独りものというものは、うっとうしいものだ。

「それに僕がふだん作品の中でわが頬がまちを説くのに、あまりに謙虚なものだから、知らない人は僕のことをなにかノートル・ダムの怪物の如きものに思っているらしいんだ。