Japanische Klassiker mit Furigana
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かつしかすなご
葛飾砂子
泉 鏡花
Lesen Sie 葛飾砂子 (かつしかすなご) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.677 Zeichen · 37 Bildschirme
と記して傍に、寛政六年甲寅十二月 日とある石の記念碑である。
「ほう、水死人の、そうか、謂わば土左衛門塚。」
「おっと船中にてさようなことを、」と鳥打はつむりを縮めて、
「や!」
響くは凄じい水の音、神川橋の下を潜って水門を抜けて矢を射るごとく海に注ぐ流の声なり。
「念入だ、恐しい。」と言いながら、寝返の足で船底を蹴ったばかりで、未だに生死のほども覚束ないほど寝込んでいる連の男をこの際、十万の味方と烈しく揺動かして、
「起きないか起きないか、酷く身に染みて寒くなった。」
やがて平野橋、一本二本蘆の中に交ったのが次第に洲崎のこの辺土手は一面の薄原、穂の中から二十日近くの月を遠く沖合の空に眺めて、潮が高いから、人家の座敷下の手すりとすれずれの処をゆらりと漕いだ、河岸についてるのは川蒸汽で縦に七艘ばかり。
「ここでも人ッ子を見ないわ。」
「それでもちっとは娑婆らしくなった。」
「娑婆といやあ、とっさん、この辺で未通子はどうだ。」と縞の先生活返っていやごとを謂う。
「どうだどころか、もしお前さん方、この加賀屋じゃ水から飛込む魚を食べさせるとって名代だよ。」
「まずそこらで可し、船がぐらぐらと来て鰻の川渡りは御免蒙る。