Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうしょうじゅうさんねん
蕭々十三年
山本 周五郎
Lesen Sie 蕭々十三年 (しょうしょうじゅうさんねん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.105 Zeichen · 16 Bildschirme
……堤へかかって三丁あまり来たときだった、忠善はとつぜん烈しく手綱を絞って馬を停めた。
「……半九郎」光りの閃くようにその名が思いうかんだのである、「ああ」と忠善は息をのんだ。十三年まえの或る朝、その堤の上で、しかもいま忠善が馬を停めたその道の上に、半九郎が平伏していた。地面へくいつくように平伏していた彼の姿を忠善は今ありありと見たのである。
「……半九郎、そちか」忠善は馬からとびおりた、白く霜をむすんでいる道の上に片膝をつき、手を伸ばして凍てた土のおもてを撫でた、「……そちだったのか、そうか、よくやった、よくぞ城を護って呉れた、十三年のあいだ、待っていたのだな半九郎、あっぱれだ、あっぱれだぞ」
涙が忠善の頬をながれた。蕭々たる十三年のとしつきを経て、ふたたび主従の心はあい寄ったのである。遙かに遠く川波を騒がせて水鳥の立つ音がした。