Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうしょうじゅうさんねん
蕭々十三年
山本 周五郎
Lesen Sie 蕭々十三年 (しょうしょうじゅうさんねん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.105 Zeichen · 16 Bildschirme
二
人が変屈人だというのも、そういうところを指しているのであった。
――殿、覚えて御座あれ。
と我を忘れて叫んだのも、主君の供がしたいという一心から出た言葉である。しかし事情はそうでも言葉としては暴言なので、きっとお咎めがあるにちがいないとみんなも評判し、半九郎もそう思って謹慎していた。けれども忠善は当分のあいだなにも云わなかった。そしてその年の秋になってから、半九郎に岡崎転勤を命じた。そのとき、
「食禄を五十石加算する」という思いがけない沙汰が出た、「覚えていろと申したあの時の褒美だ」そう云って忠善は笑った、半九郎は泣いた。
二
――殿は、自分の心を知ってくだすった。
それがうれしかった、あの暴言を暴言とうけとることなく、かえって半九郎の真実の心をみとめて呉れた、自分の心を主君は見ぬいて呉れたのだ、家臣としてこれ以上のよろこびはあるまい、半九郎は泣きながら、――この主君のために死のうとあらためて心に誓ったのである。岡崎転勤は家中へのしめしだった。つまり過言に対する罰というかたちである。主君の心のわかった半九郎にとっては、そんなことはもはやなんでもなかった、彼はむしろ勇んで国許へ移って行った。