Japanische Klassiker mit Furigana
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いもがゆ
薯粥
山本 周五郎
Lesen Sie 薯粥 (いもがゆ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.018 Zeichen · 24 Bildschirme
をはげむ、その心に少しでも酬いたいと存じまして……」
惣兵衛は、心をうたれた。言葉は短いけれど、そこにあらわれている隼人の、ゆたかな温かい気持は稀なものである。――なんという行届いた温かい心だろう。心から感動した惣兵衛には、もう塵ほどの疑念も残ってはいなかった。
「よく相わかった、もはやなにも云うことはない、だが十時氏」かれは眼をうるませていた、「改めて御相談だが、毎朝おふるまい下さる粥の料として、僅かながら月々十俵ずつお受け下さらぬか、そうして頂ければ……」
「それはお断り申します」しまいまで聞かずに、かれはかたく拒んだ。
「なぜいかん、知らぬうちならともかく、家中の足軽が無料で御教授を受け、また毎朝のふるまいまで頂いておるとわかった以上、藩の老職として、捨て置くわけにはまいらぬ」
「よくわかりました、仰せはよくわかりましたが……」と隼人はしずかに答えた、「そう致してはわたくしの心がとおりません、どうぞこのままおみのがしを願います」それでもと云う隙のない、心のきまった口ぶりだった。惣兵衛は、ついに黙るより仕方がなかったのである。
その日の仕事を終って、隼人が両町の裏にあるおのれの住居へ戻って来ると、貧しい家の中に三人の若い侍が待っていた。