Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
「どのくらい早いか外が真暗でちっとも分らん」
「外が暗くったって、早いじゃないか」
「比較するものが見えないから分らないよ」
「見えなくったって、早いさ」
「君には分るのか」
「うん、ちゃんと分る」と宗近君は威張って胡坐をかき直す。話しはまた途切れる。汽車は速度を増して行く。向の棚に載せた誰やらの帽子が、傾いたまま、山高の頂を顫わせている。給仕が時々室内を抜ける。大抵の乗客は向い合せに顔と顔を見守っている。
「どうしても早いよ。おい」と宗近君はまた話しかける。甲野さんは半分眼を眠っていた。
「ええ?」
「どうしてもね、――早いよ」
「そうか」
「うん。そうら――早いだろう」
汽車は轟と走る。甲野さんはにやりと笑ったのみである。
「急行列車は心持ちがいい。これでなくっちゃ乗ったような気がしない」
「また夢窓国師より上等じゃないか」
「ハハハハ第一義に活動しているね」
「京都の電車とは大違だろう」
「京都の電車か? あいつは降参だ。全然第十義以下だ。あれで運転しているから不思議だ」
「乗る人があるからさ」
「乗る人があるからって――余りだ。あれで布設したのは世界一だそうだぜ」
「そうでもないだろう。