Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme

Aozora Bunko

と徐かに云う。

「御前がそう云ってくれると私もまことに安心です」

「する気どころじゃない。したいと思っているくらいです」

「それほどに思ってくれると聞いたら当人もさぞ喜ぶ事だろう」

「ですが……」で言葉は切れた。母は後を待つ。欽吾は腕組を解いて、椅子に倚る背を前に、胸を洋卓の角へ着けるほど母に近づいた。

「ですが、母さん。藤尾の方では世話になる気がありません」

「そんな事が」と今度は母の方が身体を椅子の背に引いた。甲野さんは一筋の眉さえ動かさない。同じような低い声を、静かに繋げて行く。

「世話をすると云うのは、世話になる方でこっちを信仰――信仰と云うのは神さまのようでおかしい」

甲野さんはここでぽつりと言葉を切った。母はまだ番が回って来ないと心得たか、尋常に控えている。

「とにかく世話になっても好いと思うくらいに信用する人物でなくっちゃ駄目です」

「そりゃ御前にそう見限られてしまえばそれまでだが」とここまでは何の苦もなく出したが、急に調子を逼らして、

「藤尾も実は可哀想だからね。そう云わずに、どうかしてやって下さい」と云う。甲野さんは肘を立てて、手の平で額を抑えた。