Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
上ったところで改良は出来ぬ。ただ運命が暗い所に生えていろと云う。そこで生えている。ただ運命が朝な夕なに動けと云う。だから動いている。――小野さんは水底の藻であった。
京都では孤堂先生の世話になった。先生から絣の着物をこしらえて貰った。年に二十円の月謝も出して貰った。書物も時々教わった。祇園の桜をぐるぐる周る事を知った。知恩院の勅額を見上げて高いものだと悟った。御飯も一人前は食うようになった。水底の藻は土を離れてようやく浮かび出す。
東京は目の眩む所である。元禄の昔に百年の寿を保ったものは、明治の代に三日住んだものよりも短命である。余所では人が蹠であるいている。東京では爪先であるく。逆立をする。横に行く。気の早いものは飛んで来る。小野さんは東京できりきりと回った。
きりきりと回った後で、眼を開けて見ると世界が変っている。眼を擦すっても変っている。変だと考えるのは悪るく変った時である。小野さんは考えずに進んで行く。友達は秀才だと云う。教授は有望だと云う。下宿では小野さん小野さんと云う。小野さんは考えずに進んで行く。進んで行ったら陛下から銀時計を賜わった。