Japanische Klassiker mit Furigana
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じゃせいのしゅうねん
蛇性の執念
大倉 燁子
Lesen Sie 蛇性の執念 (じゃせいのしゅうねん) von 大倉 燁子 (おおくらてるこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.981 Zeichen · 38 Bildschirme
その先の事は大奥様はお言葉をお濁しになりましたけれども、何か弟様との間に葛藤がおありになったらしく、大奥様は棄て鉢におなりになり、傍にあった海軍ナイフを取って、弟様目がけてお斬りつけになったのだそうでございます。左の目の下を傷けたようだと仰しゃいました。
先生のお目にとまったあの疵は、その時の記念でございましょう。
大奥様はそれから文夫様のお身を御案じになり、弟様がいつかまた現われて危害を加えやしないかと、そればっかり苦に遊ばしていらしたそうでございます。
しかしそれよりも苦になさいましたのは、お躰がお弱くおなりになると共に、大旦那様にすまない、申訳ないというお考えのようでございました。
一人の方を御兄弟して争うなんて厭なことでございますが、それが二代も続きますとは何という因縁でございましょう。しかしお兄様を殺しても足らず、更に一旦狙いをつけた文夫様をまで殺すという、弟様の執念深さは驚くほかございません。
注射のあとだとの事でございましたが、どうも私は叔父様が黒蛇を使って文夫様をお殺しになったに違いないと思います。自殺と見せかけるために、注射器やアンプレを屑籠に投げ込んだのではございますまいか。