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Japanische Klassiker mit Furigana

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かにこうせん

蟹工船

小林 多喜二

Lesen Sie 蟹工船 (かにこうせん) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.890 Zeichen · 125 Bildschirme

Aozora Bunko

「うちの健吉と仲よく働いてやってけれよ、な」と云っていた。木の根のように不恰好に大きいザラザラした手だった。

子供に鼻をかんでやっているのや、手拭で顔をふいてやっているのや、ボソボソ何か云っているのや、あった。

「お前さんどこの子供は、身体はええべものな」

母親同志だった。

「ん、まあ」

「俺どこのア、とても弱いんだ。どうすべかッて思うんだども、何んしろ……」

「それア何処でも、ね」

――二人の漁夫がハッチから甲板へ顔を出すと、ホッとした。不機嫌に、急にだまり合ったまま雑夫の穴より、もっと船首の、梯形の自分達の「巣」に帰った。錨を上げたり、下したりする度に、コンクリート・ミキサの中に投げ込まれたように、皆は跳ね上り、ぶッつかり合わなければならなかった。

薄暗い中で、漁夫は豚のようにゴロゴロしていた、それに豚小屋そっくりの、胸がすぐゲエと来そうな臭いがしていた。

「臭せえ、臭せえ」

「そよ、俺だちだもの。ええ加減、こったら腐りかけた臭いでもすべよ」

赤い臼のような頭をした漁夫が、一升瓶そのままで、酒を端のかけた茶碗に注いで、鯣をムシャムシャやりながら飲んでいた。