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Japanische Klassiker mit Furigana

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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Lesen Sie 街はふるさと (まちはふるさと) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.435 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、あきらめるッて、何をあきらめるツモリだろう。彼にもあきらめたことは、いろいろあった。青木は立侯補をあきらめたし、大実業家になることもあきらめた。

今でも青木があきらめないものがあるとすれば、あるいは礼子のことであるかも知れない。けれども礼子は、長平が彼女をてんで相手にしなかったので、それをそッくり昔の亭主に返礼して、ちかごろでは、益々冷めたく、青木を相手にしなくなっている。

そのウップンを長平のところへ持っていこうという魂胆ではないけれども、彼の心にケイレンが起きたとすると、特効薬は長平のところへなんとなく泣きに行きたくなることである。

しかし、彼が京都行きの汽車にのりこんだのは、そのためだというわけではない。なにがなんだか分りやしない。めいめいの人間には、一生の誤差がつもりつもってゼンマイが狂い、一時にケイレンを起すような時があって、それかも知れないと青木は思った。

「つまりケイレンだな。病原不明のゼンソクみたいな、精神的アレルギー疾患なのさ」

人間は――すくなくとも彼自身は、年をとると、益々迷いが深くなるし、バカになるようだと青木は思わざるを得なかった。