Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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がいていのようこうろ

街底の熔鉱炉

佐左木 俊郎

Lesen Sie 街底の熔鉱炉 (がいていのようこうろ) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.879 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

彼女は新しい驚きをもって彼の顔を見直すようにした。その手には、あの婆さんのところから取り戻して来たという二枚の紙幣が掴まされていた。

「――変に思うかも知れないが、ようく考えて御覧。おまえだって、好きでこういうことをやっているのじゃあるまい。それをしなければ、母親は病気をしているし、おまえより働くものがいないし、食って行けないから、仕方なくやるのだろう? それを横から、働かないものが、働いたものの倍も横取りするって法は無いんだ。――それは当然おまえのものなんだから、安心して取ってお置き。」

彼は威厳をさえ示していた。

「そうだろう? そのためにおまえは、一度厭な思いをすればいいところを、二度しなければならないことになる。そんな馬鹿なことって無いんだ。――おまえはそう思わないかね?」

「…………」

「儂は、自分のやっていることを、決していいことだとは思っていないが、決して悪いことだとも思ってはいない。――働こうたって、仕事はありゃしないんだし、食って行けなければ、持っている者からもらって来るより仕方が無いじゃないか? 此方は、働くのが厭だというんじゃないんだから。