Japanische Klassiker mit Furigana
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らしんのにょせん
裸身の女仙
野村 胡堂
Lesen Sie 裸身の女仙 (らしんのにょせん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.437 Zeichen · 29 Bildschirme
綱渡りの源吉が不思議な使い
綱渡りの源吉が不思議な使い
「姐御」
「シッ、そんな乱暴な口を利いてはいけない」
「成程、今じゃ三千石取のお旗本のお部屋様だっけ、昔の積りじゃ罰が当らア」
芸人風の若い男は、ツイと庭木戸を押し開けて植込の闇の中へ中腰に潜り込みました。
迎えたのは、二十一二の不思議な美しい女です。
武家風にしては、少し派手な明石縮の浴衣、洗い髪を無造作に束ねて、右手の団扇をバタバタと、蚊を追うともなく、話し声を紛らせます。不思議に美しい――と言ったのは、決して無責任な形容詞ではありません。月の光と、縁に吊した灯籠と、右左から照らされたこの女の顔は、全く、想像も及ばぬ不思議な美しさだったのです。首筋に束ねた髪は燃え立つように赤い上、大きく波打って、二つの瞳は碧海を切り取ったように碧く、上丈は五尺二三寸、肌の色は、桃色真珠に血を通わせたような、言いようの無い美しさに匂うのでした。
この一風変った美しさを、人によっては、不気味と見る人もあるでしょうが、この邸の主人、安城郷太郎は、又なきものに寵愛して、本妻の亡き後は、一にもお鳥、二にもお鳥、お鳥でなければ、夜も日も明けぬ有様だったのも無理のないことです。