Japanische Klassiker mit Furigana
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らしんのにょせん
裸身の女仙
野村 胡堂
Lesen Sie 裸身の女仙 (らしんのにょせん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.437 Zeichen · 29 Bildschirme
成敗は斯うと降り注ぐ唇の雨
恐ろしい熱心で、――お鳥を懇望したのです。
源太夫は根気よく断わりました。「碓氷の山で育って、礼儀作法も弁えず、武家奉公などは思いもよらない」と言う口実で、人橋を架けての望みを突っ返しましたが、「行儀作法はこちらで仕込む、見事一年と経たぬうちに、武家の家風を教えて見せる」という調子で、何んとしても諦めません。
結局は、刀で脅かされて、折から御難続きの源太夫に、手切れともなく五十両の金をやり、一切の縁と関係を断つことにして、安城郷太郎の妾として引取られたのでした。お鳥はその時十九、
「此後、如何なる事があっても、出入はならんぞ、一座の者にも、よく申伝えて置け、道で逢っても挨拶をしてはならん」
斯う言う郷太郎の言葉に反いて、弟分の源吉が、久し振りに江戸へ帰って来ると、浪人者――萩江鞍馬に頼まれた用事を口実に、昼のうちに、結び文を礫と一緒に投り込んで、そぞろ歩きのお鳥に拾わせた上、夜になるのを待ち兼ねて、小日向の邸の中に潜り込んだのでした。
成敗は斯うと降り注ぐ唇の雨
「お鳥、来い」
大日坂に駈け登ったらしい安城郷太郎、焔のような息をお鳥に吹き掛けるとむんずと、手を捕って庭口へ引入れました。